オープンハウスグループがサポートする、Podcast番組『磯山さやかのラジエール〜みんなのやる気を応援したい〜』(ニッポン放送/2024年5月31日配信開始)。MC磯山さやかさんが毎回、夢に向かって頑張るZ世代ゲストを迎え、「応援」や「挑戦」にまつわるストーリーをお聞きしています。本記事では、番組内では聞ききれなかったアナザーストーリーをご紹介!記念すべき第1回目のゲストは、『チ。―地球の運動について―』や『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』で知られる漫画家・魚豊(うおと)さんです。
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磯山 さやか
1983年茨城県生まれ。2000年グラビアアイドルとしてデビュー。現在、バラエティやラジオ、ドラマ、映画などマルチに活躍。ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」、フジテレビONE「プロ野球ニュース」などのレギュラーを持つ。6年ぶり最新写真集「and more」(講談社)が好評発売中。
1983年茨城県生まれ。2000年グラビアアイドルとしてデビュー。現在、バラエティやラジオ、ドラマ、映画などマルチに活躍。ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」、フジテレビONE「プロ野球ニュース」などのレギュラーを持つ。6年ぶり最新写真集「and more」(講談社)が好評発売中。
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魚豊(うおと)
2018年に『ひゃくえむ。』で連載デビューをし、2020年に連載を開始した『チ。-地球の運動について-』は第26回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞、2024年にはアニメ化も決定している。現在、コミックアプリ「マンガワン」上にて『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』を掲載中。
2018年に『ひゃくえむ。』で連載デビューをし、2020年に連載を開始した『チ。-地球の運動について-』は第26回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞、2024年にはアニメ化も決定している。現在、コミックアプリ「マンガワン」上にて『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』を掲載中。
アリストテレスの『詩学』で、人間の美的な本質は2,000年前から変わっていないことを知った
─魚豊さんは19歳の時、読み切り作品『佳作』で漫画家としてデビューされています。それまでに、どのような練習や努力をされてきたのでしょうか?
魚豊さん:出版社のホームページに、「デビューまであと一歩」という作品が大量に掲載されているのですが、とにかくそれをたくさん読んで参考にしていましたね。画のパターンをつかんだり、自分なりに気になるところを考えたり。いろんな作品のデータをインプットして、何度もアウトプットするうちに、話の組み立て方が見えてきたように思います。
─かなり丁寧にインプット・アウトプットの作業を重ねているんですね。
魚豊さん:ある程度インプットの量が蓄積されたら、そこから再構築というか、スクラップ&ビルドしていくイメージです。あとは、ベタに漫画のテーマに見合った取材や資料も探しますね。一番影響を受けたのはアリストテレスの『詩学』です。創作や芸術論について書かれた古典なのですが、具体的なテクニックの話がたくさん書いてあって、しかも人間の美的な本質は2,000年前から変わっていないというのが、すごく自分の中で勉強になりました。
─厳しい芸能界を駆け抜けてきた磯山さんの視点から見て、魚豊さんの仕事への向き合い方はどのように映りますか?
磯山さん:番組でお話を伺ってみて、20代のうちからこんなに色々なことを考え、それを形にしているというのが、びっくりというか、本当にすごいなと思いました! 私が20代の頃は、結構周りに流されて生きてきた気がします(笑)。今振り返ると、とにかく与えていただいた仕事を一生懸命やることに夢中で、「自分」というものがあるようでなかったというか……。そう考えると、魚豊さんの1本筋が通っていて、世に形として出せる強さは素晴らしいですよね!
テクノロジー、憲法、国家……。自らの理想を現実にした先人の存在に、勇気づけられる
─漫画家、芸能界というシビアな世界で生き残っていくためのお二人の原動力は何ですか?
魚豊さん:自分が面白いと思う作品や思想を作り上げてきた先人たち、あとは理想を現実にしてきた人たちは全て自分の原動力になっています。例えば普段意識していないスマホやラジオなどのテクノロジーでも、国家や憲法でも、先人の思いがあって、それを具現化しているのを考えると、自分も頑張らなきゃなと思うんです。身の回りに目を向けると、先人が築いてきた“すごさ“が溢れていて、ありがたいなって思います。
磯山さん:そんな風に思えるのは、すごいですね! 当たり前だと思っちゃうから。私はファンの皆さんの言葉が一番力になりますね。SNSでもそうですし、直接お会いできるイベントでも、言葉で感想を伝えてくれるのはとても嬉しいです。写真集を出したとき、「次回作もぜひお願いします」とファンの方から応援のメッセージを伝えてもらって、「また頑張ろう!」ってやる気が出ました。
─お二人とも、尊敬する人やファンの方の存在が原動力になっているんですね。それでも、やる気が落ち込んでしまった時はどうしていますか?
磯山さん:落ち込んだ時は、一旦その現状を受け止めるようにしているっていうのはあるかもしれません。受け止めてみた時に、そこから何をすべきなのかを考えて、だんだん次のイメージが浮かんでくるというか、「ま、いっか」ってなります(笑)。5年後10年後も同じ悩みを抱えているかと考えると、絶対に忘れているだろうし。「今の自分を喜ばせるためには何をしてあげられるか?」が重要なのかなと思います。
魚豊さん:僕も少し似ていて、もちろん努力はするのですが、同時に「いつでも何とでもなる」と考えているところはあります。例えば、スポーツの世界では現役を続けられる年齢は限られてくるけど、漫画の世界では何歳になっても続けられるので、そこは良いところだなと。
地動説を信じる人々の背中を推したのは、歴史を越えた熱狂
─番組のテーマの1つが「応援」ですが、お二人が今応援していることや、思い出に残っている応援エピソードはありますか?
魚豊さん:AIとか宇宙開発はめっちゃ応援したいと思いますね。こうした技術に対して批判も理解できますし、絶対必要だと思いますが、僕自身は人間が拡張していく力はすごいなと感じてしまっているんです。生成AIも、漫画家にとっては自分の描き方やタッチを盗まれるのでは、みたいな懸念がありますが、ある意味で人間は全ての技術を盗んできたわけだし、自分の絵も誰かから盗んだもので描いているわけで。
もちろん様々に現実的な運営の問題やエシカルな議論はありますが、一方で僕は人類が新たな何かを生み出した興奮を感じてしまっています。
磯山さん:えー、推しがAIはすごいですね! 私は、仕事で落ち込んでいることを何の気なしに地元の友だちに相談したことがあるんです。そうしたら、「今のままで茨城に帰れるの?」ってズバッと言われて。家族は「いつでも帰ってきていいよ」ってスタンスで支えてくれていたので、ハッとさせられました。「堂々と茨城に帰れるぐらいまで頑張ろう!」とやる気が出たことはすごく覚えています。今思えば本当にありがたかったです。
─『チ。-地球の運動について-』に登場した地動説を信じる人々は、数々の弾圧を受け、ある意味で、”応援されること”の対極にいたとも言えますが、それでも彼らが信念を貫けたのはなぜなのでしょうか?
魚豊さん:それはおそらく、個の有限性を超えてしまっているからだと思います。古くから脈々と受け継がれてきたものがあるなど、歴史に接続することで生まれる大きなパワーは、計り知れないものだと思います。ある種の超越的なものを熱狂的に信じることで共感や共鳴が生まれ、「自分もそのムーブメントの“ひとつ”になれる」という喜びにつながると、すごく巨大な力になっていくと思うんですよね。それを応援という風に解釈できるのが、人間の怖さであり強さでもあるわけです。
─お二人が自分を奮い立たせたり励ましたりしてくれる漫画のセリフや座右の銘などがあれば教えてください。
魚豊さん:いっぱいあるな……。
磯山さん:魚豊さん、本たくさん読んでるし、ピックアップしきれないくらいありそう(笑)
魚豊さん:でも、人間の言葉よりも行為の方が、勇気になるかもしれません。人類史でとてつもなく重要な「人間の理性の限界を探る」という仕事をした哲学者カントなんかは本当に尊敬できるし励みになりますね、全員が共有できる理性を論証したのですが、そういう徹底した姿勢は勇気になります。「人間は人間の中で出来ることがめちゃくちゃあるんだな」「自分はこんなことで悩んでいる場合じゃないな」とエンパワーメントされます。
磯山さん:やっぱり哲学がお好きなんですね! 私は魚豊さんの作品『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』に出てくる「自分が変われば周りが変わる」というセリフに勇気づけられて、ずっと心に留めていますね。そう思っていても、実際はなかなか難しくて、できなくて悩んで、またそのセリフを読み返して勇気づけられたり。
魚豊さん:ありがとうございます!
好きなことに気付けることは実は幸せなこと。
「自分が自分のことをどう思うか」を大切にしてほしい
─最後に夢に向かって頑張るZ世代に向けて、「これだけは伝えたい!」というメッセージやアドバイスがあれば教えてください。
魚豊さん:まずは、健康を大切に。世界は楽しいことで溢れてますから、絶対に自分の興味関心が湧くものが何かしらあるはず。そこは信じてます。他者意識はそこそこに、「自分が自分のことをどう思うか」を意識して、やりたいことを追求できているかを考えていくことも大事だと思います。
磯山さん:私も一緒で、まずは好きなことに熱中してみると良いと思います。好きなことに気づけるということも、実はすごく幸せなことなんですよ。年齢を重ねると、「気持ちで動く」ことも少なくなってくるので、何も考えずに自分の気持ちに素直になって、一歩を踏み出していく勇気を持つことを心の隅に置いてくれたらなと思います!
誰かの「かなえたい」を応援したい。
がんばる皆さんの想いに寄り添うサポート活動、
それがO-EN HOUSE PROJECTです。
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