2025年4月13日(日)、障がいのある子どもたちのためのイベント「O-EN KIDS チャレンジ – 陸上アカデミー特別教室」が夢の島競技場で開催されました。当初は陸上プログラムを中心に予定していましたが、当日は雨天のため、会場を室内に移し「特別教室」として開催しました。 集まった子どもたちは、パラアスリートの講演やパラスポーツ紹介、親子で学べるユニバーサルデザイン講座など、室内ならではの充実したプログラムを体験しました。
この「O-EN KIDS チャレンジ」は、オープンハウスグループが主催するスポーツや様々な分野に挑戦したいという夢を持つ子どもたちに、安全で楽しく経験できる機会を提供する取り組みです。
前回のイベントレポートはこちらをご覧ください。
今回は、東京都TEAM BEYOND、株式会社オーエックスエンジニアリング様(機材協力)、公益社団法人東京都障害者スポーツ協会、株式会社モリサワ、そしてオープンハウスグループ所属のパラアスリート小須田 潤太選手の協力のもと実現しました。オープンハウスグループの「挑戦する人や組織を応援する」という企業姿勢を体現し、子どもたちの「やってみたい!」「知りたい!」を後押しするイベントの様子をレポートします。
<イベント概要>
【O-EN KIDS チャレンジ – 陸上アカデミー特別教室】
主催:株式会社オープンハウスグループ
協力:東京都TEAM BEYOND、公益社団法人東京都障害者スポーツ協会、株式会社オーエックスエンジニアリング、小須田 潤太選手(オープンハウスグループ所属)
日時:2025年4月13日(日)
場所:夢の島競技場
講演に体験、ゲームまで。いろんな形でスポーツへの挑戦を後押し
当日は、あいにくの雨模様のため、室内での「特別教室」として開催。子どもたちは期待と少しの緊張が入り混じった表情で会場に集まりました。会の始まりではプログラムについて説明があり、スタッフからの「今日は一日、たくさんのことを学んで、楽しんでいってください!」という呼びかけに、子どもたちが元気な声で応え、いよいよ特別教室がスタートしました。今回の「O-EN KIDS チャレンジ – 陸上アカデミー特別教室」には、6歳から14歳までの障がいのある子どもたちが参加。保護者や兄弟も見守る中、3つの特別なプログラム「1.心のバリアフリー特別教室」「2.室内アクティビティ&パラスポーツ紹介」「3. モリサワUDフォント 特別講座」を体験しました。
1.小須田 潤太選手 心のバリアフリー特別教室

オープンハウスグループ所属のパラ・スノーボード選手、小須田 潤太選手が自身の経験を語る「心のバリアフリー特別教室」が開催されました。
21歳で右足を失いながらも、パラスポーツとの出会いを経て挑戦を続ける小須田選手は、子どもたちに「たくさん失敗しよう、たくさん挑戦しよう」という力強いメッセージを送りました。彼は、自身の経験を踏まえ、困難を乗り越えること、そして「できないことができるようになること」が挑戦を続ける原動力となること、他者と比較して「できない」と落ち込むのではなく、自分が今できないことに向き合い、日々の小さな進歩に目を向けることこそが大切だと力強く語りました。
「そこに気づければ、たくさん挑戦していける。他者と比較してしまうのは、自分自身に期待し過ぎなんだ」と語る彼の言葉に、子どもたちも保護者の皆さんも真剣に耳を傾けていました。

また、競技用、日常生活用など様々な種類の義足を紹介したほか、装着していた義足を実際に外し、子どもたちに直接触れてもらう場面も設けられました。初めて触れる義足の素材や感触に子どもたちは興味津々で、「こうなっているんだ!」といった驚きの声や、「かっこいい!」という憧れの声、笑顔があふれる場面も。義足に触れる体験を通して、子どもたちは自身の可能性や、挑戦することへの前向きな気持ちを育んでいる様子でした。

2.東京都障害者スポーツ協会 室内アクティビティ&パラスポーツ紹介
東京都障害者スポーツ協会からは、講師の佐々木 ゆみさんが登壇し、プログラムを実施。まずはパラスポーツの魅力やルールを分かりやすく解説しました。迫力ある競技映像に、子どもたちは目を輝かせていました。

続いては、いよいよ車いすの試乗体験です。この日は、本格的な競技用車いす(レーサー)の体験や、日常用車いすを用いたスラローム(簡易コースでの操作練習)に挑戦しました。
レーサー体験では、初めて触れる子もすぐに操作に慣れスイスイと動かし始め、スタッフからの「何も教えてないけどすごい!」といった驚きの声かけに、子どもたちは誇らしい表情を見せていました。

また、日常用車いすでのスラローム操作では、ポールの間を縫うような複雑な動きに挑戦。コースをクリアしゴールすると大きな拍手が起こり、子どもたちの達成感を称えました。
自分で車いすを動かす体験を通して、パラスポーツや車いすへの理解を深め、その操作や挑戦の楽しさを肌で感じている様子でした。


3.モリサワUDフォント 特別講座
株式会社モリサワからは、講師の南 有希子さんが登壇し、「UD(ユニバーサルデザイン)フォント特別講座」を実施。親子で楽しみながらユニバーサルデザインの考え方について学びました。例えば、ゲーム形式の「はしれともき!を探せ!」というアクティビティでは、タイトルと同じ形のひらがなを探すことに挑戦。UDフォントを使った文字の見つけやすさや、情報の伝わりやすさを体験しました。大人も子どもも夢中になって取り組み、UDフォントについて楽しく学ぶ、充実した時間となりました。


参加者の笑顔からも伝わる、挑戦がもたらすエネルギー
「O-EN KIDS チャレンジ – 陸上アカデミー特別教室」に参加した子どもたちとその保護者の方々、そしてこのイベントを支えた協力団体の皆様から、今回のセミナーについてコメントをいただきました。
参加者の声

―佑都くん、参加してどうだった?
参加者本人:佑都(ゆうと)くん
「スラロームをくるくる回るところが、めっちゃ、楽しかったです!」
― 「O-EN KIDS チャレンジ – 陸上アカデミー特別教室」についてどう思われますか?
父:周(しゅう)さん
「前回の野球アカデミーは、締め切り後に気づき参加できませんでしたので、今回は参加することができ大変嬉しく思っております。このようなイベントを開催いただけると、親である私たちにも様々な出会いがあり、子供にとっても新しい発見が生まれるので、大変ありがたいです。」
母:佳奈(かな)さん
息子はスポーツが好きなので、スラロームや陸上競技用車椅子体験をとても楽しんでいて、参加して本当に良かったです。
これからも色々なパラスポーツに挑戦してほしいと思っていますが、パラアスリートを目指すための本格的な場ではなく、障がいの程度に関係なく楽しく体験ができる今回のようなイベントが、すごく貴重でありがたいです。今後も、色々なイベントを企画してくださると嬉しいです。楽しみにしております。ありがとうございました。
【協力者のコメント】
公益社団法人東京都障害者スポーツ協会 講師:佐々木 ゆみさん
当日はあいにくのお天気でしたが、その天気を吹き飛ばすような元気が溢れている皆さまにご参加いただきました。実際にレーサーという陸上走競技専用の車いすへの試乗やスラロームのミニ体験では、本物の車いすやコース設定を体感頂いたので「すげ~」「カッコイイ!」などといった歓声があがっていました。弊協会はオープンハウスグループ様と連携して障がいのある人でも「いつでも どこでも いつまでも」一生涯スポーツに親しめる環境を作っていく活動をしていきます。
株式会社モリサワ 講師:南 有希子さん
モリサワは「あらゆる違いを、魅力に変えていく。」をメッセージに、文字のデザインの違いと、選手一人ひとりがひたむきに挑戦する姿とを重ねて、パラスポーツを応援しています。当日は、子どもたちにゲームを通してユニバーサルデザインの考え方を取り入れた「UDフォント」を学んでもらいました。見やすさ、読みやすさや、伝えたい相手のことを考えてフォントを選ぶことが、思いやりにもつながると感じてもらえたら嬉しいです。
オープンハウスグループ所属 パラ・スノーボード選手:小須田 潤太選手
今日は『心のバリアフリー』をテーマにお話しさせていただきました。 僕自身の経験が、今日参加してくれた子どもたちが、困難に立ち向かう勇気や、新しいことに挑戦する楽しさを感じるきっかけになれば嬉しいです。みんなの真剣な眼差しから、僕もたくさんのエネルギーをもらいました。

挑戦のバトンを、未来へつなぐ
「O-EN KIDS チャレンジ – 陸上アカデミー特別教室」の開催を通じて、障がいのある子どもたちと共に、パラスポーツの世界やユニバーサルデザインについて学び、考える貴重な機会を共有できたことを大変嬉しく思います。
雨天のためプログラムは変更となりましたが、パラスポーツの魅力やUDフォントといった新しい世界に触れる体験、そして小須田選手から「できなかったことができるようになる、知らなかったことが知れる」という力強いメッセージを受け取ったことで、子どもたちは皆、生き生きとした表情を見せてくれました。
特に、今回のイベントを「みんな同じ目線で楽しめる場」として企画したことで、子どもたちが安心して、自分自身の可能性を信じて挑戦する姿をたくさん見ることができました。こうした「新たな体験」が、子どもたちの視野を広げ、更なる挑戦や可能性へと繋がることを願っております。私たちも、引き続き皆様に「新たな体験」を提供できるよう取り組んでまいります。
オープンハウスグループは、「挑戦する人や組織を応援する」という理念のもと、今後もスポーツや学びの機会を通じてさまざまな形で支援を続けてまいります。すべての子どもたちが、障がいの有無にかかわらず、自分の可能性を信じて挑戦できる社会の実現に向けて、今後も様々な取り組みを進めてまいります。
今回のイベントは、東京都TEAM BEYOND様、株式会社オーエックスエンジニアリング様(機材協力)、公益社団法人東京都障害者スポーツ協会様、株式会社モリサワ様、小須田 潤太選手、そして参加してくださったすべてのお子様、保護者の皆様のご協力により開催することができました。皆様に心より感謝申し上げます。
これからもO-EN HOUSE PROJECTは、挑戦するすべての子どもたちを応援し、その挑戦が未来をつくる力になるよう、取り組みを続けてまいります。

【メディア掲載情報】
本イベントは、スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」でもご紹介いただきました。
「できないこと」に向き合おう 障がい児対象の陸上教室開催、パラアスリートが伝えた“失敗”の価値
誰かの「かなえたい」を応援したい。
がんばる皆さんの想いに寄り添うサポート活動、
それがO-EN HOUSE PROJECTです。
What We Do