「大好きなバスケットボールを広めたい」という思いから、NBAやB.LEAGUE(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)の解説をはじめ、バスケにまつわるさまざまな活動を行っている佐々木クリスさん。2024年10月4日には群馬クレインサンダーズの本拠地であるOPEN HOUSE ARENA OTAで、佐々木さん監修のバスケ×英会話のキッズスクール「えいごdeバスケ」が開催されました。今回のイベントは、オープンハウスグループの社会共創活動「O-EN HOUSE PROJECT」とのコラボにより実現したもの。“挑戦する人を応援する”というテーマを掲げた当プロジェクトに、「バスケをもっと盛り上げてくれるという期待や共感があった」と話してくれた佐々木さんに、群馬クレインサンダーズとの関係が生まれた経緯や「O-EN HOUSE PROJECT」に共感を覚えるポイント、挑戦への原動力などを語っていただきました。
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佐々木クリス
バスケットボールアナリスト、B.LEAGUE 公認アナリスト、解説者。1980年にニューヨークで生まれ、4歳から東京で育つ。野球少年だった中学生の時にテレビで観たNBAの試合に魅了され、高校からはバスケに転向。大学バスケの名門・青山学院大学在学時にはインカレ優勝や副将を経験する。30歳の時にbjリーグ(日本プロバスケットボールリーグ)でプロ選手として活動した後、2013年から解説者としてのキャリアをスタート。BリーグやNBAなど国内外の中継解説の他、イベント司会などで活躍し、日本におけるバスケの普及に努める。
バスケットボールアナリスト、B.LEAGUE 公認アナリスト、解説者。1980年にニューヨークで生まれ、4歳から東京で育つ。野球少年だった中学生の時にテレビで観たNBAの試合に魅了され、高校からはバスケに転向。大学バスケの名門・青山学院大学在学時にはインカレ優勝や副将を経験する。30歳の時にbjリーグ(日本プロバスケットボールリーグ)でプロ選手として活動した後、2013年から解説者としてのキャリアをスタート。BリーグやNBAなど国内外の中継解説の他、イベント司会などで活躍し、日本におけるバスケの普及に努める。
バスケを通じて得たことを子どもたちに伝えたいという思いで始めた「えいごdeバスケ」
―本日開催の「えいごdeバスケ」は、素晴らしい盛り上がりでしたね。まずは佐々木さんが「えいごdeバスケ」の活動を始めたきっかけから教えてください。
「えいごdeバスケ」は、僕がバスケに関わる中で得たことを次世代に伝えたいと思い、2014年に始めたスクールです。体を動かしてバスケの動作を行いながら、動作と連動する英語を楽しく学びます。バスケを盛り上げる啓蒙活動というより、社会貢献の意味合いが強いかもしれませんね。英語はプレーヤーや解説者としてコミュニケーションを取る時だけでなく、NBAの現地取材で生の情報をキャッチする時など、さまざまな場面で重宝してきました。医師や宇宙飛行士を目指すにしても英語の知識は大切なので、子どもたちにはこの機会に英語に挑戦して、自身の可能性を広げるきっかけにしてほしいと思います。
―佐々木さんが子どもたちに伝えたいバスケを通して得たこととは、具体的にどんなことでしょうか?
僕は学生時代、バスケに救われましたし、バスケで得た学びは今も実生活に生きています。まず、仲間の大切さや、全員が共通の目標に向かって取り組むチームワーク。そして、将来の夢や目標に向かってどう計画し、準備していくかという視点も、バスケを通して得られた学びの一つです。例えば、僕はバスケの解説者になるためにどんな準備が必要か考え、プロリーグであるbjリーグに挑戦しました。また、夢に向かうためには周りを引っ張るリーダーシップや、自分のキャリアを主体的に考えるオーナーシップも必要だということも学びました。これ以外にも数えきれないほど多くのことを僕はバスケを通して身につけました。子どもたちも「えいごdeバスケ」に参加することで、何かに挑戦するために自分に必要なことを少しでも感じ取ってもらえたらうれしいです。
アリーナで観客総立ちの熱狂。ファンと裏方、みんなでつくり上げた感動の光景
―今回、オープンハウスグループの「O-EN HOUSE PROJECT」とのコラボが実現した背景の一つに、群馬クレインサンダーズと佐々木さんのご縁があると思います。その関係の始まりを教えてください。
OPEN HOUSE ARENA OTAをお披露目する際のコンセプトムービーに出演したのが、群馬クレインサンダーズとの関係の始まりでした。OPEN HOUSE ARENA OTAの演出チームが手がけるビジュアルの世界観が、僕がこれまでの人生で格好良いと思っていたものと似ていて、その感性にまず惹かれました。そして、選手と観客の距離が近くコミュニティが生まれるNBAのような理想的な会場の造りに、「バスケを広めたい」と考える僕のライフワークと通じるものがあると共感を覚え、大きな期待感を抱いていました。その後、こけら落としのアリーナMCのオファーをいただいたんですが、その時は驚きましたね。僕はこれまでNBA関連のイベントMCを担当したことはありましたが、B.LEAGUE公式戦のアリーナMCの経験はなかったんです。でも「NBAの環境を知っていて、マーケティングや演出についても深く理解している佐々木さんに、ぜひお願いしたい」と言われ、これは僕がやる意味があることだと思い引き受けました。自分にとっても挑戦でしたね。
―実際にアリーナMCを務めていかがでしたか?
試合中に観客が総立ちする姿を見て、その圧倒的な一体感にしびれましたね。自分の理想形としてずっと心に残っている、初めてNBAファイナルを見た時の光景と同じくらいの感動を味わいました。バスケは観客も演出の一部になるのが面白いんです。「NBA級の本格アリーナを目指す」というクラブの方向性が定まっていて、携わる人々に浸透していたからこそ、実現できた光景だと感じます。裏方もファンも全員で盛り上げようというエネルギーが素晴らしかったですし、そんなエネルギーをもらって、僕もアリーナMCに熱が入りました。その時の経験があったからこそ、僕は今もアリーナMCを続けていられるんです。
―プレイヤーとしても活躍された佐々木さんの目線から、応援のパワーをどのように感じますか?
応援の価値って計り知れないと思います。もちろん会場での応援は選手の力になりますが、日常での接点も非常に力になります。現役時代の僕自身がそうだったのですが、例えば、街中で選手を見かけて「シュート良かったよ」「いつも練習を頑張っているね」などと声をかける他愛のないコミュニケーションも、選手の力になります。選手にとっては、自分がコミュニティに認められているという自信になり、ファンのためにもっと頑張りたいと思えるんですよね。
バスケを観戦する以上の価値を。地域の盛り上がりがさらなるエネルギーを生む
―今回、「えいごdeバスケ」に「O-EN HOUSE PROJECT」とのコラボのオファーが来た際の、率直な気持ちをお聞かせください。
挑戦する人を応援するという「O-EN HOUSE PROJECT」の主旨にまず共感しました。「えいごdeバスケ」のコンセプト&ミッションの中には「成功体験や出会いを通じて、子供たちの可能性を広げます」という一節があります。これは子どもたちが将来、何かに挑戦することを応援しているとも言えますから、根っこの部分でシンパシーを感じましたね。
「太田市新アリーナプロジェクト」が素晴らしいのは、「太田市をバスケの聖地に」という目標が口先だけで終わるのではなく、それを実現するためのアクションが本気な点です。僕が知っているバスケ関連の取り組みだけでもすごい熱量を感じます。太田市と協力してOPEN HOUSE ARENA OTAという素晴らしい会場を創り上げ、市内の至るところにバスケットゴールを増設するなど、ハード面をそろえる支援をされたこと。その上で、地域にバスケカルチャーを浸透させるためのイベントを、次々と実施されていること。これらをコミュニティに溶け込んで行っていることは、バスケ普及にとってとても良い取り組みだと思います。その結果、この会場での群馬クレインサンダーズのホーム試合を毎回満員にするエネルギーをコミュニティにもたらし、日本一を目指すチーム、選手、市民の挑戦へのモチベーションは間違いなく高まっていると感じます。そんな取り組みの一端に関われることを、とても光栄に思います。
―イベントをきっかけに、よりバスケを好きになってもらったり、楽しさを感じてもらえたりしたらうれしいですよね。
そうですね。最高峰のプレーヤーが至近距離で迫力あるプレーを魅せるバスケは、本当に魅力の多いスポーツです。見て、参加して、楽しむことの面白さをもっと多くの人に知ってほしいですし、その魅力を伝えるメッセージはまだまだ足りていないと思っています。「O-EN HOUSE PROJECT」でも、バスケ関連のイベントやキャンペーンなどを継続的に実施して、バスケをもっともっと盛り上げてほしいですね。
僕は「Bigger than Basketball(バスケ以上のものを)」という考えをとても大事にしていて、バスケを単なるスポーツとして伝えるのではなく、バスケを通してスポーツ以上の価値を伝えることも必要だと意識しています。スポーツは人生をより豊かにしてくれるものだと僕は思っているので、スポーツを身近に楽しめる環境があるのは素敵なことだと感じますし、環境を整えることが頑張る人の応援にもつながると信じています。
楽しむことが挑戦のパワーに! 全力で取り組むからこそ得られるものがある
―「えいごdeバスケ」を先ほど見学しましたが、子どもたちの楽しそうな表情がとても印象的でした。
これまで10年以上「えいごdeバスケ」の活動をしてきましたが、B1リーグ基準のアリーナで実施したのは初めてだったので、子どもたちにとっても特別な体験になったのではないかと思います。最初はこのアリーナの雰囲気に圧倒されて、子どもたちはとても緊張していたんですよ。でもこの緊張感も、OPEN HOUSE ARENA OTAだからこそ得られたもの。今回のイベントが思い出深い体験となって、「またここでバスケをするためには、これから何をすればいいだろう?」と、自分の道を考えるきっかけになるかもしれませんよね。
―最後に、目標に向かって挑戦や努力をすることの大切さを、これまでさまざまなことに挑戦してきた佐々木さんの観点から教えてください!
楽しむことが一番大事だと思います。僕の学生時代も、楽しいという気持ちが原動力になりました。当時「NBA選手になりたい」と言った時は、周りに笑われることもありましたが、あの時目標を掲げなければ、プロにもなれなかったし、解説者にもなれなかったと思います。バスケが大好きでたまらなくて、自分の目標のために何ができるかを必死に考えて、その瞬間ごとに全力で取り組んだからこそ、得られるものが多くあり、今につながっているのだと感じています。
僕はストリートバスケチームをつくったり、音楽活動でバスケを広めたりなど、さまざまな活動を並行して行ってきましたが、どれも妥協せず100%の力を注いだからこそ、今の自分の軸を太く育てることができたのかなと思います。今、何かに挑戦したい人は、まずは楽しみながら全力でぶつかってみてください!
誰かの「かなえたい」を応援したい。
がんばる皆さんの想いに寄り添うサポート活動、
それがO-EN HOUSE PROJECTです。
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