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主役になるだけが人生じゃない。高校野球のヒーローが挑む“球都”桐生市の地域共創

主役になるだけが人生じゃない。高校野球のヒーローが挑む“球都”桐生市の地域共創

かつて大阪桐蔭高校在籍時に甲子園に2度出場し、17年間にわたり野球を続けてきた謝敷正吾さん。そんな謝敷さんが現在、取り組んでいるのが、群馬県の旧・桐生南高校の施設を活用した「KIRINAN BASE」の運営です。「この地域に賑わいをもたらし、野球のメッカになるようサポートしたい」。応援される側から応援する側へ、立場が変わっても挑戦し続ける謝敷さんの歩みに迫ります。

  • 謝敷正吾

    オープンハウスグループ 係長。1988年、大阪府生まれ。2005年と2006年に、大阪桐蔭高校で甲子園に出場。その後、明治大学野球部、独立リーグ・石川ミリオンスターズを経て、2012年に24歳で現役引退。2014年8月、オープンハウスグループ入社。現在は群馬県桐生南高校廃校後の施設を活用した「KIRINAN BASE」の運営に従事する傍ら、中学野球チーム「桐生南ポニーリーグ」の監督、FMきりゅう『謝敷正吾の情熱野球!』パーソナリティなど、多岐にわたる活動を行っている。

    オープンハウスグループ 係長。1988年、大阪府生まれ。2005年と2006年に、大阪桐蔭高校で甲子園に出場。その後、明治大学野球部、独立リーグ・石川ミリオンスターズを経て、2012年に24歳で現役引退。2014年8月、オープンハウスグループ入社。現在は群馬県桐生南高校廃校後の施設を活用した「KIRINAN BASE」の運営に従事する傍ら、中学野球チーム「桐生南ポニーリーグ」の監督、FMきりゅう『謝敷正吾の情熱野球!』パーソナリティなど、多岐にわたる活動を行っている。

野球一筋の人生から不動産営業職に転身。「主役になるだけが人生じゃない」と知った。

──謝敷さんは、大阪桐蔭高校で甲子園に2回出場し、明治大学で東京六大学野球、BCリーグ(プロ野球の独立リーグ)と、長年野球に打ち込んできました。その挑戦を支えた原動力を教えてください。

私が野球を始めたのは小学生のころです。家庭の事情で祖父母に育てられたのですが、「僕が野球で頑張ると、祖父母が元気になる」と気づき、野球に励むようになりました。中学からは甲子園に出場するという目標が生まれ、一発勝負の負けられない試合に挑んできました。大学以降はリーグ戦になり、「負けても次がある」という戦い方に。人生の歩みとともに試合に臨む姿勢も変わりましたが、常に「みんなを喜ばせたい」という思いが支えになっていました。

──当時は応援される立場でしたが、応援の力をどのように感じていましたか?

高校時代、甲子園球場で5万人の観衆に見守られる中、打席に立つ経験に恵まれました。2006年の試合ではホームランを打ちましたが、その時に感じたのがまさに応援の力。打った瞬間はホームランの手応えがなかったのに、映像を見返してみると、あり得ないほど打球が伸びている。「声援に背中を押されるってこういうことか」と、応援の力の大きさを実感しました。

一方、大学4年のころには、大学野球のリーグ戦でベンチに入れないことがありました。ケガをしたわけでもないのに、応援席で試合を見届けた時の景色は、今でも忘れられません。悔しさもありましたが、それでも心からの声援を送ったこの時に、応援する側の気持ちも初めて知ることができたと思います。

──野球を引退し、オープンハウスグループに入社した経緯を教えてください。

24歳で現役を引退したときは、先の人生が見えず、飲食店でアルバイトをしていました。ですが、25歳で子どもを授かったこともあり、本腰を入れて新たな世界に挑戦しようと思ったんです。そんな中、妻が見つけたのがオープンハウスの求人広告。「日本一を目指す」と書いてあり、野球で日本一を目指していた私は興味を引かれました。

そこで面接を受けたところ、“野球選手の謝敷”ではなく、一人の人間として私を見ようとしてくれたんです。当時は、「自分には野球以外の価値がないんじゃないか」と不安を抱いていた時期。そんな中、肩書のない自分を見てくれたことに励まされ、「違う世界で生きてみよう」と入社を決めました。

──不動産営業を始めた最初の半年間は、契約が取れなかったそうです。この苦境をどう乗り越えたのでしょう。

当初は「あれだけ野球を頑張ってきた自分なら、営業もできるはず」という驕りがあったんだと思います。どんな人がどういう思いで住宅を購入するのかをイメージできず、契約は取れないまま。そんな折に新規の営業で出会ったのが、ある男性のお客さまでした。

そのお客さまは「今は不動産購入を考えていない」ということでしたが、お話を詳しく伺うと結婚を控えているということがわかりました。さらにお話をしていくと、「将来のためにも住宅を買ったほうがいいのではないか」と、お客さまの気持ちが変化していき、最終的に契約を結ぶことができました。自分の主観で可能性を閉ざさず、お客さまにより良い人生の道を示すことが大切なんだと、この契約を通して痛感しました。

──その後、謝敷さんは社長室に異動します。そこでは、どのようなやりがいを感じましたか?

社長室の業務は、社長をサポートする仕事です。また、オープンハウスグループがスポンサーを務めた「あの夏を取り戻せプロジェクト」や東京六大学野球の「BIG6.TV」などを通じて、野球選手のサポートにも関わりました。

社長室でのこれらの経験や、過去の野球で感じた応援の力を通して気づいたのは、人をサポートすることのやりがいや、「主役になるだけが人生じゃない」ということです。成長を止めず、30代からは応援する側として人生を輝かせたいと思いました。

創立2年目の中学野球チームに協賛企業20社。地域を、選手を、企業を、情熱で動かす。

──現在は群馬県桐生市に移住し、オープンハウスグループの荒井社長の母校でもある桐生南高校が廃校になった後の校舎やグラウンドなどを活用したレンタルスペース「KIRINAN BASE」を、地域の交流拠点として運営しています。謝敷さんは、桐生市にどのような可能性や課題を感じていますか?

桐生市は人口減少に歯止めが利かず、少子高齢化が顕著な街です。市民の健康維持や交流の場として、旧・桐生南高校の施設を活用できないかと考えましたが、地方で事業を興すからには、片手間ではできません。そこで、地域に根差して地域活性化に取り組むため、2023年7月から家族と共に桐生市に移住しました。

──KIRINAN BASEはどのような施設でしょうか。地域活性化のために、謝敷さんはどんなサポートをしていますか?

学校には、教室や体育館、グラウンドなどさまざまな設備があります。スポーツ施設やイベント会場として活用していただくのはもちろん、映画やドラマ、CM撮影への貸し出しも行っています。映画撮影の場合、撮影期間はスタッフや出演者が桐生市に長期滞在しますが、そうすると宿泊施設や飲食店などへの経済効果も大きく、市のアピールにもなります。今後は行政とも連携して、誘致を行えたらと考えています。

──職務外では野球人として、中学野球チーム「桐生南ポニーリーグ」の監督、小学生チーム「桐生南ベースボールアカデミー」のコーチも務めています。新たな挑戦をするに至った経緯についてお聞かせください。

野球が盛んな桐生市で、地域を代表するチームを作ろうと、桐生南ポニーリーグを立ち上げました。桐生南は、太田市や伊勢崎市、栃木県足利市に囲まれた地域です。さまざまな地域の子どもたちが桐生南に集まり、ここから選手が巣立っていくようサポートしたいと思っています。

中学野球のチームながら、すでに協賛企業20社からサポートを受けています。地域の企業にとっても、子どもたちは未来を支える大切な存在。今年はパートナー企業を40社に増やすことを目指していますが、これからも地域の人たちや地域の企業と共に、子どもたちを応援していきたいと考えています。

一方、小学生を対象にした桐生南ベースボールアカデミーでは、厳しい指導で子どもを委縮させるのではなく、野球をのびのびと“愉しむ”場を提供しています。ここで野球の魅力を知ってもらい、中学では桐生南ポニーリーグに加わってもらえたらと思います。

──地域共創に取り組みつつも、うまくいかずに悩んでいる方は多いと思います。どのようなスタンスで挑戦すべきか、アドバイスをいただけますか?

私が桐生南ポニーリーグを立ち上げたときにも、大きな困難がありました。チーム発足を決めたのが2023年2月だったのですが、小学6年生は中学からの所属チームがすでに決まっているタイミングだったのです。とはいえ、諦めるという選択肢はありません。「20人集める」と啖呵を切り、近郊の少年野球チームにコツコツ足を運びました。そして、「本気で愉しむ野球環境を提供するので、一緒に頑張ろう」と泥臭く説得し、23人の選手を獲得することができました。

その際感じたのは、やはり情熱は大事だということです。諦めることなく最後までやる気を保ち、粘り強く挑み続けたことが、結果につながったのだと思います。

“学校活用の日本一”を掲げ、KIRINAN BASEを進化させていく。

──オープンハウスグループでは、スポーツ選手のセカンドキャリア支援に力を入れています。謝敷さんは、元野球選手としてこうした支援体制をどう捉えていますか?

私もそうでしたが、スポーツの世界で長年生きてきた選手は他の道を知りません。そういう選手たちに対し、新たな挑戦をするきっかけを与えているのがオープンハウスグループです。選手たちの可能性を広げる姿勢に共感しますし、私もこうした取り組みを世の中に発信するお手伝いができればうれしいです。

──KIRINAN BASEを拠点にした桐生市活性化への抱負や、今後の目標を教えてください。

オープンハウスグループは、“日本一”を目指す会社です。KIRINAN BASEも、目指すは“学校活用の日本一”。最近では、スピードガンなどの最新機器を備えた「球都桐生野球ラボ」も新設しました。今後も野球のメッカとして、KIRINAN BASEの名を全国に広め、桐生市の地域活性化に活かすために努力を続けたいと思います。

誰かの「かなえたい」を応援したい。

がんばる皆さんの想いに寄り添うサポート活動、
それがO-EN HOUSE PROJECTです。